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第9回 新入社員セミナー(2020年6月23日)

本日のセミナーでは、「生活としての視座」という大きなテーマの中から、
「目的としての生活行為」「手段としての生活行為」について学びました。

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生活とは生活行為の束(総体)です。
生きるという事に関していえば、生活行為の束は、
人生目標・自己実現等を目指す「目的としての生活行為」と、
目標を達成するために身体的・精神的に安定した状態を保つための
「手段としての生活行為」にわけられます。
食事という行為について考えてみると、「摂食」という行為へのかかわりは
「手段としての生活行為」ですが、楽しい・おいしい食事という点での
かかわりは「目的としての生活行為」という事になります。
手段としての生活行為に比重を置きながらも目的としての生活行為のかかわりを
大切にする(QOLの追求に繋がる)のが介護であり、
利用者のために両者を適切に提供できる専門家が介護福祉士ということになります。
また、生活支援とは生活者すなわち個人総体へのかかわりであり、
「手段としての生活行為」や「目的としての生活行為」は
生活者の一部分への関わりという事になります。
但し、この一部のかかわりを持って専門的介護と呼ぶことはできません。
関わる援助者には、専門的力量が求められます。

生活支援とは単純にADL・IADLへの働きかけをいうのではなく、
「どのように生きるか」という、生きる意義に関わる内容を含むものであり、
ここに介護と看護の専門性の違いがあり、
介護独自の専門性が存在することになります。

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そういった視点を常に持ちながら、これからの日々の業務に取り組んでいきます。

田中安平教授、本日もありがとうございました。