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ケアカウンセリングの展開とスーパービジョン


今回は「死にたい」を口にされる利用者をテーマに挙げ、その言葉に秘められた意味の理解、「夜間せん妄的な不穏行動」への適切な対応。くわえて、ケアカウンセリングにおける具体的手法やリーダーのスーパービジョン時の考え方についてご教示いただきました。
そもそも、「死にたい」という言葉はどこから出ているのか? 言葉の背景を問うことから始まった。答えは、言葉を理解しようとせず、発した「わけ」や「感情」を理解することであった。一緒に寄り添おうとする姿勢そのものがケアカウンセリングであった。すなわち、言葉で表されない背景を捉える手法であり、一旦 受容したうえで、その人の価値観に寄り添うこと、「向き合う心」であった。「向き合う心」を持つことで、寂しさなどの感情そのものに共感でき、「人の痛みを感じる心」を育成することに繫がった。また「向き合う心」は不穏な心理状態に効果があり、価値観を抜きに寄り添う姿勢が問われていた。注視することは、サービス内容や施設環境の違いであり、これにより生活の質が大きく異なることへの十分な配慮であった。リーダーは、「笑い」がストレス回復に有効であることを踏まえ、専門性のコアである創造する心を磨くことの楽しみを、介護職員に伝授していくことが求められていた。
新人職員に対するス-パービジョンも同様であった。日常的に起こる出来事は画一でないことは知っているつもりだが、実は分かっていないことを十分理解し、援助・助言・指導を通じて本人の成長や問題解決の一助に繋がる関わりとして提供されるべきであった。このことは、指導者自身の専門性を磨くことでもあった。
最後に男性リーダーより夜勤時におきた利用者様の不安訴えの出来事や対応について苦い思い出を報告。この講義を受け「向き合う心」を振り返り、利用者の感情に焦点を当て相手の身になって考え、多様な対応について発想することを誓った。
田中安平教授お忙しい中本当にありがとうございました。