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ACPとは ~黒野明日嗣先生~

脳神経内科医師 黒野 明日嗣(くろの あすつぐ)先生

2024年12月6日(金)
第4回 黒野先生による認知症ケア社内研修が開催されました。
生活支援員、理学療法士、看護師、ケアマネジャー、相談員として認知症ケアに関わっているスタッフの約40名が参加しました。

ACPとは」

今回はニコニコタウンきいれで起きている ACP (人生会議)に関する困難事例について講義して頂きました。
ACPとは何かという質問から始まり、分かりやすい説明から始まりました。

普段から関わるご利用者が終末期に、どのような日常生活や医療的ケア、看取を望んでいるかを事前に話し合っておくことが大切かを、大前提で物事を考えなければなりません。この様な話は1度だけでは決められる事ではなく、何度も繰り返し話し合う必要があります。その方の状態変化やご家族の関係性、私たち専門職がどのように関わることが出来るのかということでも変わります。

医療関係者は DNARDNR という言葉は耳にすることがあると思います。DNAR とは蘇生する可能性はほとんどないので蘇生を試みない。DNR とは蘇生する可能性はあるかもしれないが蘇生しない。という選択肢を今回の勉強会の中で自身や大切している人に対してどのように考えて思うのかを考えてもらいましたが、自分と大切な人に対する思いには違いがあることが多くありました。

人生の最後について話をまとめていく中で、本人の思いと、答えられない方に対してご家族(代理人)の思いでも違いが生じることがもちろんあります。また意思表示ができるご利用者が誰にでも思いを伝えられるわけでもありません。

そこにはご利用者との人間関係が重要になります。これが病院だとすると治療を優先されるので緊急な判断をしなければならない場面では、事前に確認していた DNARDNR の内容が優先されて対処することになります。

皆さんが施設に入所して良かったと思われるためには、最期の時期での充足感によって、良い「死」へと繋がるのではないでしょうか。そのように思われるためには、本人の尊厳を尊重できる関わり方やケアを提供し、プロに任せられる安心感があり、ご家族と共に支援していくことが大切だと改めて感じました。

黒野先生から繰り返し伝えられた言葉として、「対話、雑談をたくさん行ってください」その中で些細な事でも本人の思いをキャッチして、今後のケアやご家族への橋渡しになってくださいと参加した職員にエールを込めた言葉を頂きました。

黒野先生、今回も本当にありがとうございました。 次回もよろしくお願いします。

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