新着情報

第9回 新人セミナー

第9回 新入社員研修カリキュラム(2021年9月7日)

鹿児島国際大学 田中安平教授による新人研修セミナーが、コロナ感染対策を徹底したうえで、約1か月ぶりに再開されました。新入社員たちは、入社以来、現場経験を重ねながら介護の専門性に触れ、ご利用者の生活を支える難しさを感じているようでした。冒頭、新入社員から質問がありました。

前回講義 新入社員からの質問
「利用者様とのコミュニケーションやかかわりは大切にしたいけど、業務もあり、どうしても話す時間が短くなります。こんな時、どのようなコミュニケーションをとればいいですか。」
教授の回答
「まず、何のためのコミュニケーションかを考えましょう。仕事としてコミュニケーションをとっている以上、ボランティアではありません。そのワケを考える癖が必要です。コミュニケーションはゆっくり時間をかけるものと思っていませんか。それは自分の価値観です。何のための介護かを考えてください。余裕のある時は時間をかけてコミュニケーションをとることも大事ですが、介護を行ううえでの関係性を念頭に、自分たちの専門性とは何か、このことを押えた行動が必要でしょう。たとえば、利用者が望むものは、ホントに長い時間のコミュニケーションなのかなど…、 自分がご利用者だったらどの様に感じるだろうか、自分自身が何のために支援しているのか、当たり前になっていることを見直すことが大切です。そうすると、利用者の当たり前に気づくことができるでしょう。」

投げかけられる発問に、新入社員は、日頃の利用者様とのかかわりを思い出しているようでした。

第1部 生活とは
生きるということを生活行為の束として考えた時、生活行為を2つに分けることができます。一つは、人生目標・自己実現等を目指す「目的としての生活行為」と、もう一つは、目標達成に向けて身体的・精神的に安定して状態を保つための「手段としての生活行為」になると述べられ、二つの生活行為について講義を行ってくださいました。
手段としての生活行為に比重を置きながら、目的としての生活行為のかかわりを大切にする(QOLの追及に繋がる)ことが介護であり、利用者のために両者を適切に提供できる専門家が介護福祉士であると教わりました。

第2部 生活支援とは
「目的としての生活行為」と「手段としての生活行為」、これを自身の価値観にあてはめてみましょう。まず、個々の生活行為の中に主題があることを認識すべき、と話されました。具体的には、食事を手づかみで行うことは、よいこと? わるいこと? それとも…。手段と目的を一歩引いて見てみることの大切さ、反対に一歩踏み込んで確かめてみることの重要性を学びました。

スタッフ感想
「自分にも大事にしたいものや、湧き出る感情があるように、ご利用者の感情も多様であることを今までより強く認識しました。」
「目的と手段をしっかりと分け、ご利用者の目的を奪ってしまわない支援を目指したいと思いました。」
「一緒に目的を共有し、生活を支えられる介護福祉士になりたいと思いました。」
などの感想がありました。

田中教授、本日はありがとうございました。