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第15回 新人セミナー最終

第15回 新入社員研修カリキュラム(2021年10月26日)

田中安平教授による新入社員研修も最終日となりました。
介護福祉援助技術を身につけた生活支援員(介護士)の専門性と援助法について総括する講義となりました。

第1部 障害者介護
身体障害者と知的障害者・精神障害者では発達段階の考え方や捉え方に違いがあります。国際生活機能分類(ICF)の枠組みで考えると、背景因子としての「環境因子」や「個人因子」は、発達段階に沿った対応を心掛けることが最も大切であり、適切な介護に結び付けます。適切な対応で重要なことは、自分の価値観を白紙にしたうえで、他者の価値観を受け入れることです。このことを事例で学びました。

第2部 老人介護
ターミナルの終末期に置かれている人と、『死』を先のことだと考えている人では、一日一日の時間の重みが違います。援助者は高齢者の不安感を感じ取れるだけの他者理解・自己理解が、高次元で求められていることを学びました。

田中教授
「いかにして、自分の気持ちを言葉に乗せて表現するか。言葉に込められた情感が、相手に届く声掛けで働きかけることが大切です。」と話され、今回の研修目的の一つであるケアカウンセリングマインドが何故重要になるのかを再確認し、現場で有効な声掛けを一つひとつ振り返りました。

スタッフ感想
「自分の価値観ではなく、ご利用者の価値観で関われるようになりたい。」

「ご利用者が望むことを精一杯サポートできるようにこれからも頑張っていきたい。」

「高齢者が感じている時間の重みを理解できた。」

「ご利用者が楽しい時間を多く過ごせるよう、仕事を楽しみながら取り組みたい。」

介護を福祉的な側面だけでなく、介護が仕事として専門性を構築していった歴史や、一般企業との違い、時代の生活様式、個々人の『生活』のとらえ方など、多角的に学ぶことが出来ました。介護の専門性は、発達段階や事業所ごとに異なることを知り、介護の仕事の奥深さや重要性を学ぶことが出来ました。

今回の講義を通して、生活支援員として働く彼ら彼女らが、介護の専門性を自ら磨き、利用者の想いに応えていけるよう願っています。

田中教授、感染対策が行われるなか、最期まで研修会にご登壇いただき、誠にありがとうございました。今回の学びを糧に、よりよい支援の提供と、スタッフの専門性向上に努めてまいります。