第1回 新入社員研修カリキュラム Web研修
本日から2022年度 新入社員研修カリキュラムが始まりました。
長年、鹿児島国際大学 福祉社会学部 社会福祉学科で次世代の専門職育成に尽力されてこられた 田中安平先生 ( Yasuhira Tanaka.Ph.D ) にご講義いただきました。
本カリキュラムは1日2コマ、合計30コマ開催していきます。
新入社員は各現場からWeb参加する講義となります。
田中先生は、社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員の資格を有し、介護の長い臨床経験があります。研究者としても多くの実績を残し、「介護福祉のコアである専門性とケアカウンセリングの有効性に関する研究」で博士(社会福祉学)の学位を取得しておられます。
このカリキュラムは、「介護福祉援助技術」の存在の必要性と実践の土台となるケアカウンセリングマインドの重要性を理解すること。事例を通してケアカウンセリングの実際的活用法と解決手段を一緒に考えていきます。
第1部
入社したばかりで緊張していた新入職員とアイスブレイク、雰囲気が和らいだところで、他者理解のための自己紹介が進められました。「考える」を例に挙げ、「伝える」を検討しました。最初は質よりも量が重視され、とにかく周辺情報を広く集めます。集められた情報の組み合わせは、先入観に捉われない柔軟な発想が問われます。
人との関わりで大切なのは挨拶です。自己紹介を例に挙げ、表情や声のトーンによって相手に与える印象が変わることを体験し、自分の趣味や特技、出身地などを織り交ぜる事で印象が強まり、覚えやすく、会話を広げるきっかけになることを学びました。
第一印象で「明るい」「話しやすい」と思ってもらえると、職員やご利用者との交流がスムーズになります。受講した職員は、自分の事を相手に伝えることと同じくらい、相手の事を知ることが大切でした。参加者は話し合うことで相互理解が深まりました。
第2部
「福祉とは何か?」福祉には模範となる解答はなく、ひとり一人の価値観を受け入れる意味と寄り添う手法を学びました。なかでも、当たり前と考える基準は人により大きく異なり、違いを深く理解したうえで寄り添うことを学びました。
価値観を理解することは、幸福感や不安感を理解することになります。感情や思いを尊重することが信頼関係を構築しご利用者の自分らしさを引き出すことに繫がります。
田中教授から、
「ご利用者は何のために生活している?」と質問され、
「基準が変わる事で答えも変わる」
「生きることは必ずしも正解の積み重ねではない」と話されました。
相手に信頼してもらうには、まず自分から心を開き、余裕を持って落ち着いた態度で接することが大切です。
介護の本質を正しく理解するには、その姿勢が重要であり、介護の専門性を学び続けようとする意欲が大切だと教わりました。
新入職員の皆さんは、先生の声に耳を傾け、「考える」「伝える」の知識を深めることが出来ました。
田中先生、本日はほんとうにありがとうございました。
コロナウィルス感染対策を考慮し、リモートでの研修を開催させて頂きました。