第3回 新入社員研修カリキュラム Web研修
第3回 新入社員研修カリキュラム(2022年6月21日)Web研修
第1部 あなたの思う介護の仕事
介護の仕事には、高齢者の尊厳の保持と、一人ひとりの能力に応じた自立支援があります。自立支援は、ご利用者が「何ができて、何ができないのか?」「できない何をケアすべきか?」が重要で、ご利用者が望んでいる生活を踏まえたケアが基本となります。さらに、寄り添ったケアが問われ、尊厳を守るためのケアとなります。
ご利用者の心身を支えるために、適する言葉遣いや心掛けは、「自分の人生の先輩」と思ったうえで臨むことが望ましいです。「思いやりの心」を持って生活支援をおこなうと、気持ちは伝わり、「笑顔」や「ありがとう」が増え、やりがいにつながります。今回のカリキュラムは、「あなたの思う介護の仕事」について新入社員に発表していただき、「思いやりの心」につながる、或は、つながらない言葉や行動を、事例を挙げてご指導をいただきました。
スタッフ一人ひとりの捉え方や考え方にある違いがみえました。ご利用者の情報は質に加え量が大切で、自分の考えに周りの意見や考えを加えることで、ケアの見解や手法がまとめられ、総合的に検討した「ご利用者にとっての最適なケア」に近づくとご指導いただきました。ブレーンストーミングを活用し、多くの意見をまとめることで、バラバラの意見が収束しました。1つの答えに向かっていくプロセスが重要で、明らかになった課題をケアに関連付けるのが専門職の役割だと学びました。
第2部 あなたの思う、介護の仕事とは
テーマ、「介護の生活とは?」「福祉とは何だろうと?」を検討しました。福祉とは「幸せになることのケア」であり、生活支援員は「ご利用者が幸せになるためのケアをおこなう専門職」です。田中先生は、「人は悲しむために生きていませんよね?」と問いかけられ、障害や認知症から幸せを感じられなくなっても、誰もが「生活を楽しく送りたい」「幸せな毎日を過ごしたい」と思うもので、その人なりの幸せにつなぐのが生活支援であり、自分が感じている幸せを目安とし、障害などで出来なくなったことを、どのようにしたらケアできるかを考え抜くことが介護の本質だとご説明くださいました。
生活支援員は、ご利用者の生きることをケアする役割があり、留意すべきは、ご利用者の状態を自分の考えだけで判断しないことです。初めての方との会話は、自分の気持ちを出しづらいものです。そんな時、「こんにちは、体調はいかがですか?」と笑顔で接すると心がホッとします。その「ホッとする空気」が信頼につながり会話し易く、良い関係を創ることになります。「ホッとする空気」があることが、ケアの方向性を検討するうえで必要だとお話になりました。
ご利用者はお一人おひとり違います。その違いを知り多くの情報をスタッフと共有します。情報に基づき実際に関わることで、必要なケアを気付くことが出来ます。これが生活を支える醍醐味であり、介護の本質になります。ご利用者に喜んで頂けるケアが、介護の始まりになるとご教示いただきました。
人は、生活の「快」、いわゆる「喜び」を目指して生きています。どういったケアが必要なのかを見極めるのが、専門職といえるか、否か、の分かれ道になります。「このケアなら楽しく幸せな生活を送っていただけるのかな?」「どうやったらニコッと笑っていただけるのかな?」そういった些細な変化を毎日考え抜くことが、介護の「楽しみ」や「やりがい」になると学びました。
今回の研修で、介護の仕事をテーマに、ご利用者との関わり方や向き合い方、そのプロセスを考えることが出来ました。研修で学んだことを現場で活かし、ご利用者から喜んで頂けるケアが出来るように、これからも頑張ります。
田中先生、本日はありがとうございました。
コロナウィルス感染対策を考慮し、リモートでの研修を開催させて頂きました。