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第11回 新入社員研修カリキュラム Web研修

第1部 「他者理解の必要性」について

今回の研修は「他者理解の必要性」というテーマでご講義いただきました。
田中先生は、他者理解がなぜ必要なのか、介護を専門的に理解するにはどうしたら良いのか、また相手の方が喜んでもらえるサービスとはどの様なものかと問いかけられ、スタッフは、「他者について理解することで、自分が多様性を理解しどの様な関わりを相手にするべきかを明確にすること」「相手のことを知ることで、どの様なケアをすればいいのか理解すること」「相手のことを知らないと、相手の求めていることが分からない。また、一方向のケアになってしまうので他者理解は大事だと思います」「相手の価値観に合わせて相手がどの様なことを求めているのかを理解しながら、寄り添ったケアを行うこと」との意見がありました。田中先生は、意見が共通している「相手のことを理解しないと、適切なケアやサービスが提供できないこと」について、相手のことを知ることの難しさを事例でお話になりました。利用者から自分でできることをお願いされた時、専門職として、どの様な関わり方が適切なのかを十分理解したうえで支援を行わないと適切なケアにはつながらないとお話になり、支援を求められると、まず、何故「お願いします」と訴えられるのかを自己覚知して、その思いを読み解き、そのうえで利用者の思いに応えることを学びました。

田中先生より「相手の方が何を求めていると思いますか?」との問いに、「サポートして欲しい」「寄り添ってもらいたい」「一緒にやって欲しい」との回答があり、田中先生は、利用者はその時の状況で、甘えたい思いを訴える場合もあり、必要なのは、その思いを時には受け止めるメリハリだとご説明くださいました。どの様な回答を返すかによって、次に頑張ろうという気持ちにつながるかを探ることが重要であり、毎回、「頑張れ頑張れ」といわれると、人は息を抜く暇がなく、しんどくなる。状況に応じて「今日はここまでにして、次は頑張りましょう」と繰り返すことで、相手との信頼関係が生まれことを学びました。他者理解は、利用者の選択肢の中から適切な選択を行い、最終的にはその選択が利用者にとってプラスにつながるやり方が求められます。利用者の訴えに、何故その様に訴えるのかを読み解き、その思いを理解するのが重要であるとご教示いただきました。

第2部 「他者理解の必要性」について

「物を盗られた」と訴えがあった場合の対応について、利用者の思いを理解した対応が適切であり、まず、どのような形で物が盗られたのかを、理解することが重要になるとご説明いただきました。物を盗られた利用者はどういった感情、どんな気持ちで「盗られた」と訴えたのだろうか?利用者の感情を適切に理解できた時、初めて適切な関わりができる。田中先生より、皆さんは「物が盗られた」という利用者の訴えに、利用者のどのような気持ちを理解し対応や判断を行いますか?と質問が投げかけられ、スタッフは、「不安になっている」「落ち着かないから」「物が何処に行ったか覚えていないという不安感を隠したい思いがある」との意見がありました。田中先生は、落ち着かない不安感や何処に置いたか覚えていない感情で、利用者は「盗られた」と訴えている。同じ「盗られた」という言葉を使ったとしても、本当に盗られたと本人は思っている訳ではなく、どこに置いたか分からないから一緒に探してほしいという意図があり、「どこに置いたか分からなくなったのですね、一緒に探しましょう」が適切な声掛けで、落ち着くことにつながるとご指導いただきました。不安感から「あなたが盗ったでしょう」といわれる場合もあり、「私は違います」とついつい言ってしまいますが、この様な関わりは適切でなく、対応や関わり方の重要性を事例で学びました。

自己覚知と他者理解の両方の理解が無いと対応は上手くできません。自己覚知ができていると「あなたが盗ったでしょう」といわれても、言われた本人は他者にいっているような感情受容ができ、冷静に対応ができます。しかし、感情に流され「私はそんなことはしません」と返答した場合は、信頼関係が取れなくなってしまいます。自分のことだと面と向かって訴えられると、冷静に対応できませんが、他者のことになると冷静な対応ができる。これが自己覚知の難しい所だとお話になりました。
自己覚知も他者理解も同じ専門性の中にあり、生活支援者の資質とされ、双方できる人がプロとしての適切なケアを行うことができると学びました。

今回のカリキュラムにて、自己覚知、他者理解について田中講師よりご指導いただきました。利用者様の様々な訴えの裏側にある感情や思いを読み取り、必要とされる生活支援が行えるように取り組んでいきたいと思います。
研修で学んだ事を活かし、利用者様の理解、満足に繋がるサービスを行って行きたいと思います。

田中先生、本日はありがとうございました。

※研修は受講者の体調・体温・接触管理・ワクチン接種・手指消毒等、室内換気も徹底して行っています。