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第1回 新入社員研修

本日から2023年度 新入社員研修カリキュラムが始まりました。

介護の臨床経験がおありの、田中安平先生 にご講義いただきました。

先生は、長年、鹿児島国際大学 福祉社会学部 社会福祉学科において次世代の専門職育成に尽力してこられました。社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員の資格を有し、研究者としても多くの実績を残し、「介護福祉のコアである専門性とケアカウンセリングの有効性に関する研究」で博士(社会福祉学)の学位を取得しておられます。

当グループでは、2023年度のカリキュラムとして、1日2コマ、合計30コマを開催します。このカリキュラムをとおして、「介護福祉援助技術」の存在の必要性と実践の土台となるケアカウンセリングマインドの重要性を理解し、事例を通してケアカウンセリングの実際的活用法と解決手段を一緒に考えていきます。

第1部 他者理解による自己紹介

「生きる」ということに対しての正解は無いのではなく、模範解答がないことです。正解は100通りあり、これが介護福祉と考えるべきとお話がありました。ご利用者様が「これで良し」と思い生きているのであれば、その正解に寄り添うのが私たち専門職のお仕事です。そのため、自分の価値観を相手に押し付ける行為に気を付けなければなりません。ご利用者様が夢の自己実現できるよう、お手伝いすることが福祉・介護です。

「ブレーンストーミング」という技法があります。思った事を何でも出し合い、質よりも量が重視し、とにかく周辺情報を広く集める技法です。集められた情報は先入観にとらわれない柔軟な発想で自由に意見を出し合うことが問われますとお話がありました。

ニコニコタウンきいれ   ニコニコタウンきいれ

 

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まずは、最初に入社したばかりで緊張していた新入職員とアイスブレイク、雰囲気が和らいだところで、他者理解のための自己紹介が行われました。一番目に「私は音楽が好きな○○です」2番目に「私は音楽の好きな○○さんの隣に座っている運動の好きな□□です」と順番に最初に話した方の好きな事の内容を記憶しながら話をして行く自己紹介が進められました。一生懸命相手の話に耳を傾けて相手の方を理解する大切さを学びました。

人との関りで大切なのは挨拶です。自己紹介を通して自分の事を相手に理解して頂く事の難しさや表情や声のトーンによって相手に与える印象が変わることを体験し、自分の趣味や特技、出身地などを織り交ぜる事で印象が強まり、覚えやすく、会話を広げるきっかけになることを学びました。第一印象で「明るい」「話しやすい」と思ってもらえると、職員やご利用者との交流がスムーズになります。受講した職員は、自分の事を相手に伝えることと同じくらい、相手の事を知ることが大切でした。参加者は話し合うことで相互理解が深まりました。また、レクリエーションの一つの方法として現場で活用できるので、今後は現場で実践しながら人とのつながりを構築していきたいと思います。

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第2部 1分間の自己紹介

1分間で自分の出身や得意な事など相手に印象を持って頂くための自己紹介を行いました。相手に自分の事を伝える工夫や良い印象を持っていただける自己紹介の難しさに、緊張した面持ちで受講生の皆さん限られた時間の中、思い思いに自己紹介を行いました。

自己紹介の中で、コミュニケーションが難しいなどの意見に田中講師より、初対面の人とは

話しにくいですが、友達だと話しやすいのはなぜだか分かりますか?の質問がありました。

友達と話しやすいのは相手の事を良く知っている為、相手と共有の話題を持っている為話しやすいとお話がありました。利用者様とのコミュニケーションが難しいと感じた時には

共通な話題を見つけるために、まずは「出身はどこですか?」と自分の事から先に話しかけると相手の方も話しかけてきます。相手の方が発した言葉を確認しながら会話を行う事でコミュニケーションが取りやすくなるとご教授頂きました。

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コミュケーションを行う場合は、相手に対して自分が構えてしまう為、うまくいかないことがあります。友達と会話を行うように身構えなくて「○○でしょうか?」「好きなのは何ですか?」など丁寧な言葉を用いて話題を引き出し沢山の情報を集める事で会話の幅を広げていく方法を学びました。情報が少ないと話題が思いつかない為、その場にいるのが窮屈となりコミュニケーションが難しいと感じてしまうと田中先生よりお話がありました。共通の話題を見つけることで相手も話しやすくなり、お互いに身構える事無くコミュニケーションを楽しむことに繋がります。相手に信頼してもらうには、まず自分から心を開き、余裕を持って落ち着いた態度で接することが大切と学ぶことが出来ました。

利用者様は人生の先輩であり、多くの経験をしながらこれまで生活してきています。しかし、私たちは昭和初期などの昔の出来事を知りません。自分たちで勉強をする事によって話題を広げることも出来ます。ただ、質問するだけではなく自分達も学びながら実践していく事が大切であるとご教授頂きました。

新入職員の皆さんは、先生の声に耳を傾け、「考える」「伝える」の知識を深めることが出来ました。

 

田中先生、本日は本当にありがとうございました。