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第5回 新入社員研修

介護の本質について

介護では、困っている事を困ったと感じた時に初めて生活支援員との関係性が生まれます。医療で考えると、39℃の熱があるとします。お医者さんに掛からない限りは患者ではありません。これは、病院へ掛かっていない為、医者と患者の関係性が生まれ来ない為です。認知症になり困ったとしても「お願いします」「手伝って下さい」とお願いされなければ、そこに関係性が発生しない為、利用者、要介護者の関係性ではありませんが、私たちに「お願いします」と言われた時に関係性が発生します。自分の置かれている状況を困難な状況だと感じ、手助けを求めようとする意思が芽生えて、初めて介護サービスが発生するとご説明頂きました。

ニコニコタウンきいれ   ニコニコタウンきいれ

これは利用者のニーズ(Needs)であり、これはその人にとって無くては困る事にあたります。必要というものではなく「必需なもの」として捉える事が大切ですとお話しされました。業務や関係性に慣れてくると、トイレに行きたい要望に対して「ちょっと待っててください」と気が付くと簡単に口にするようになります。介護現場は忙しいですが、最初のうちは一つひとつを丁寧に行います。だんだん慣れてくると相手のことが理解できるようになる為「あの人はしばらくしてからでも問題が無い、大丈夫」と考えるようになり他の用事を済まそうとなりがちです。相手がお願いすることは、その人にとっては大事なニーズでありその時に必需である為、そのようにならない為にも初心に返り、自分を振り返り「あっ、自分は少しうぬぼれていたな」と反省することも大事であるとお話がありました。基本は何度も振り返り学びを深める事が大切であるとご教授頂きました。医療も介護も関係性については同じですが、内容について病気の場合は「すぐれないと感じる心身の状態の解消や治癒」となりますが、介護は「不自由と感じる日常生活の補填や支援」に違いがあると説明して頂きました。

 

生活支援について

人はなぜ生きているのかを常に考える事が大切であるとマズローの欲求階層説を例に説明されました。人は夢を持って生きています。70歳や80歳の方々もそれぞれの夢があります。多くの関りを持つということは私たち1人ひとりの生活支援員として利用者様との関係性があり、「まだまだこれからも頑張って生きるんだ」と私たちが気付かす事が大切と話されました。

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介護技術は極端に難しいものではありません。技術は基本を学ぶ事で少しのことはすぐに出来ますが、このような関わり方の考えを持ってご利用者様と接することが出来るかどうかが、生活支援員として求められます。日常生活とは、生活の中に日常的行為が含まれていることを意味しており、私たちが朝起きる時から寝るまでの当たり前の動作や寝ている時に現れる無意識的動作の事を示します。利用者様が日常生活のどの部分に出来る事と出来ない事を見極め、利用者様に対して生活支援は平等でなければならない為、中には「あの人ばっかりお手伝いして、私には何もしてくれない」などの訴えがあった場合には、「ごめんなさい、この方はここまでは出来ますが、ここからは出来ない為、お手伝いしています」とお伝えし、訴えのある方に対しては「あなたはここまで出来るから、ここから先はお手伝いさせていただきます」と説明を行い、納得して頂くことが大切です。介護はその人の能力を伸ばす事が求められるため、一人ひとりに応じた対応が重要であることを学びました。

 

今回のカリキュラムにて、介護の本質と生活支援について学びを深める事が出来ました。一人ひとりの夢の自己実現に向けての関わり方や、能力に応じての対応の重要性のあり方を理解することが出来ました。また、利用者様の尊厳を守りながら「生きる喜びや活力」に繋げられるように一日一日の関わりを大事に取り組んで行きたいと思います。研修で学んだ事を活かし、質の高いサービスが提供できるようにこれから頑張ります。

田中先生、本日はありがとうございました。

※研修は受講者の体調・体温・接触管理・ワクチン接種・手指消毒等、室内換気も徹底して行っています。