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第8回 新入社員研修

「バイスティックの7つの原則」について

援助関係の原則で、援助者と利用者の援助関係を作り上げていくために、援助者がとるべき基本的な態度についてお話が有りました。①「個別化」で一番大事な事はレッテルをはがす事です。「この人は認知症だから」「この人は怒りっぽいから」などレッテルをはらないようにします。レッテルをはるということは、援助者の価値観であり、同じように自分がレッテルをはられた時には良い気持ちはしないはずです。そのためにはたった一人の人間、かけがえのない人間としてとらえることが大事です。同じような悩みでも、一人一人の悩みは異なりその人の独自の悩みであると捉えます。対応としては、耳を傾けて相手の話をよく聞く事、利用者の歩調に合わせる事が大事であるとお話が有りました。➁「意図的な感情表出」では、意識をしながら感情を表に出してもらいます。怒りや憎しみ、悲しみ、恐れなどを利用者が支援者へ言葉として吐き出す事で心がホッとして落ち着きます。支援者に求められる事は、心に秘めている思いを話して頂ける環境や関係性を作る事ができるかという事です。話が出来る環境が無ければ、思いを引き出す事は難しく、利用者もストレスとなり思うように生活が出来なくなると説明が有りました。利用者が怒っている時には、そこにストレスが溜まっています。このストレスを吐き出させる対応で一番効果的な方法が笑ってもらうことが一番とご教授頂きました。

ニコニコタウンきいれ   ニコニコタウンきいれ

③統制された感情的関与では、自分の感情であり、利用者から怒られた時など売り言葉に買い言葉にならないよう、自分を冷静に眺められる技術の事をいいます。支援者自身の感情や価値観をわきに置くことが大切であり、利用者の話に同情や否定などしないで統制された情緒をもって利用者に接します。相手がカッとなって怒っている場合に効果的な方法は「どうしましたか?」と声を掛けながらボディータッチをする事が効果的であるとお話が有りました。④受容については、利用者の気持ちを理解してあげること。あるがままに利用者を受け止める事です。事実を受け入れることが大切であり、例えば、帰りが遅い時に「今日はなんで、こんなにおそかったの?」と感情で怒るのではなく「今日は遅かったですね」と受け入れ、会話を行う事でお互いに感情が落ち着き会話も上手くいきます。受容の対象は善なるものではなく、善悪で判断してしまうと腹が立ってしまい受容することはできません。あるがままの現実を受け入れ、支援者の価値を押し付ける事無く、共感することが大切です。

ニコニコタウンきいれ   ニコニコタウンきいれ

⑤非審判的態度では、支援者はあくまでも側面的援助が中心で、導くことではありません。「こうしないとダメでしょ」とか「それしちゃダメだよ」という対応は自分の価値で審判を下している行為となるので注意が必要です。食べ物で例えると辛い物が好きな人もいれば嫌いな人がいるように「そんなに辛くしちゃダメだよ」と自分の価値で判断しないということが大切です。辛いのが大丈夫な方からすれば余計なお世話になってしまうからです。なぜなら私たちは相手が幸せになる為にいます。あいての望む思いをどのようにしたら幸せになるのかを考えるのが私たちのお仕事であると田中講師よりお話が有りました。

⑥自己決定では、利用者の問題は利用者自身で考えて判断し、自らの責任で最も満足のいくような方法で解決できるように支援者が利用者の協力を行います。注意すべき点では、支援者が審判を下し「○○しなさい」という形で決定してしまうと、相手は説得されている状況となるので、失敗した場合には「どうしてくれるんだ」と責任転換に変わる恐れがあります。自分でやると決めて納得した場合であれば自己責任となる為、失敗しても他人に文句を言うことはありません。納得した事は自己責任となり、説得されたら責任転換になるので注意が必要ですと説明が有りました。説得よりも納得して頂けるサポートが私たちのお仕事であり、本人が出来ない所を支援しながら本人に解決して頂くことが大切です。

⑦秘密保持では、プライバシーを守ることを言葉で示し、安心感を与える事になります。この7つの原則を使うことにより利用者様との関わりがより良いケアに繋がっていきますとご指導を頂きました。

今回のカリキュラムにて、バイスティックの7つの原則について学びを深める事が出来ました。利用者様との信頼関係を作り上げていく中でのポイントを一つひとつ分かりやすく解説して頂くことで、これまでの自分の失敗を振り返り、説得と納得の違いや自分たちが注意すべき点など理解することが出来ました。言葉の使い方によって利用者様との関係性が左右されるので、田中先生よりご指導頂いたお言葉を活かしながら、利用者様との関係性を深める事が出来るようにこれからも頑張ります。田中先生、本日はありがとうございました。

※研修は受講者の体調・体温・接触管理・ワクチン接種・手指消毒等、室内換気も徹底して行っています。