第9回 新入社員研修
新入社員からの質問
Q.利用者同士でトラブルがあった際の声掛けはどの様にすればよろしいでしょうか?
A.まずはお互いに何があったのかを尋ねます。また、相手の方が杖を振り上げそうな様子が見られる場合には、興奮されている利用者様を一旦その場から離す事が必要です。興奮されている状態でお互いにどうしたのか理由を聞くと、お互いに興奮される事が考えられる為、一旦2人をその場から離す事が必要と説明が有りました。注意すべきことは一方だけの意見を聞いて「それはダメですね」と判断せず必ずお互いの意見を聞きながら、本人が落ち着くように会話を行う事が大切ですとお話が有りました。人間は感情の動物であり、意見のすれ違いは多々あります。私たちは日常生活の支援に関わりを持ちます。利用者が楽しく出来るような支援を求められ、意見のすれ違いがあった場合に自分の価値観で判断はせず、お互いの意見を聴きながら両方の話に耳を傾け、ゆっくりと時間を掛けながら対応することが望ましいです。
Q.利用者様の思いに対して事故・ヒヤリハットが起こりそうな場合、訴えに対して受容のバランスはどの様にとればよろしいでしょうか?
A.一人だとヒヤリハットになりそうな場合、専門職員として「ほっといてくれ」と言われた場合には、今の状態だと目的地に着く前に転倒するだろうと推測ができます。この場合はすぐに対応が出来る位置に寄り添い、手を出さずに見守り何かあった時にはすぐに支えることのできる位置で対応することが重要です。場合によっては「ついて来なくていい」と強い口調で話される場合がありますが「目障りかもしれませんけどごめんなさい」と何度か繰り返すうちに、利用者様が支援者の行動を受け入れ支援が可能になります。受容とのバランスは利用者様の訴えを何でも受け入れるのではなく、必要に応じての支援を行いながら関りを持つことが大事であり、日頃からの信頼関係の構築が重要となります。
第2部 「ご飯食べたくない」と話される利用者様について
支援者役、利用者役に分かれてロールプレイを通して「ご飯食べたくない」と訴える利用者様に対してのコミュニケーションを考えてみました。制限時間5分、4人1グループに分かれ、ご飯を持ってきたシチュエーションです。始まりの合図で新入社員はいざ会話を始めますが1分程度すると言葉に詰まり会話が続かないと難しい表情を浮かべながら取り組む様子が見られました。グループ発表では、
職)「お昼ご飯を持ってきました」
利)「食べたくない」
職)「どこか体調が悪いですか」
利)「お腹が一杯です」
職)「朝ごはんからお昼にかけて何か食べましたか」
利)「何も食べてないです」
職)「朝ごはんはどれぐらい食べましたか」
利)「全部食べた」
職)「じゃあ、時間を置いてお腹が空いた頃に少しだけ食べましょうか」
利)「はい」
などのロールプレイを通して利用者様の気持ちを考えながら取り組む事が出来ました。コミュニケーションを通しての情報は他職種連携の情報にもなります。このような情報からの変化に気付く事も私たちのお仕事ですとご指導いただきました。
田中講師よりご指導頂いたことを活かしながら、現場で取り組んで行きたいと思います。また信頼関係の構築に向けコミュニケーションを大切に、多くの関りを持たせて頂きながら頑張りたいと思います。
田中講師、本日はありがとうございました。
※研修は受講者の体調・体温・接触管理・ワクチン接種・手指消毒等、室内換気も徹底して行っています。