第13回 新入社員研修
福祉的サービス業としてのサービス
企業的なサービスと福祉的サービスは親切で優しく丁寧に行う事はサービス業としての本質であり、双方当り前のサービスになります。しかし、福祉的サービス業の本質ではありません。企業的サービス業はお金を稼げなければ企業的なサービスとしては役に立ちません。親切で丁寧であっても売り上げが伴わなければ会社はつぶれてしまいます。企業的な本質は売り上げを伴うためのサービスをどのように展開するかが本質となります。では、福祉的サービスの本質とはどのようなものか新入社員一人一人の意見を聞きながらお話が有りました。新入社員からは・「その人が出来ない事や助けを必要としている事を手助けしてその方の生活を豊かにする事」・「その人に合ったケアサービスを行う事」・「利用者様が満足するケアサービスを提供する事」などの意見がありました。
田中講師は今出てきたサービスを実際に提供する為にはどのような事が必用なのか?と新入社員へ考えてもらいました。田中講師は新入社員へたくさんの意見に模範解答はありません。色々な人の意見を聞く事は自分自身の見かたを変える事が出来るとお話しされ、桜島を使って説明が有りました。この山が桜島ですという一つの答えではなく、姶良から見た桜島、垂水の方から見た桜島、色々な所から見た桜島は角度と見た目は違いが有りますがどれも桜島であり、「生きる」に関してもこれが答えだというものは無く、利用者様が喜んでいただける為のサービスを皆さんの多くの意見から、比較しながら考える事が大切であるとご教授頂きました。新入社員よりどうしたら実施が出来るかの意見に、・「利用者様の生活歴を頭に入れて今までの生活と変わりのない様なサービスを提供することで満足を高める事が出来る」・「利用者様の出来ない所や本人のしたい事を理解してケアプランを作成し、利用者様に合った対応を行う事で満足していただける」・「利用者様の今の状態を見て、今何のサービスが必要かを考えながら接することで満足度が高まる」等の意見が有りました。
情報の把握と共有・他職種連携
田中講師より今までと変わらない生活を送る為にはその方の生活歴を知る事が大切です。生活歴の中からその人の満足して頂けるサービスはどの様なものかを自分なりに把握するために生活歴を活用します。出来ない所や行いたいことを知ってその人に合ったサービスを提供する事は、さらに生活歴を理解し何故出来なかったかを考える事が大切です。また、今の状態を見る事でやりたいことに対しては生活歴を確認し今の状態で何が必要なのかを考える事が大切です。新入社員より出てきた、それぞれの意見をまとめることで福祉的サービス業を提供するための回答が繋がっていくとご指導いただきました。
介護とはチームケアのためお互いの職員同士の意見を出し合いながら関わる事により良いケアが提供できるようになります。情報を集める際にはコミュニケーションは欠かせません。利用者様と職員・職員と職員でのコミュニケーションが重要とされ、情報が共有できないとチームケアとして成り立ちません。得た情報を共有することで利用者様にとっても満足していただけるサービスに繋がっていきます。また、他職種との連携を図ることで、一人の利用者様に対して多くの専門職が関りを持つことで、さらに満足していただけるサービスが提供できるとご指導を頂きました。
今回のカリキュラムにて、福祉的サービス業としてのサービスついて学びを深める事が出来ました。福祉的サービスとはどのようなものか言葉では言えますが、実際にサービスを提供するとなった場合どの様な方法を行えば良いのか考え込んでしまいます。田中講師のご指導のもと、情報の重要性や他職種との連携、また一人の利用者様に対して多くの専門職の関りがその人に合ったより良いサービスに繋がることを学び、今後は、実践しながらより質の高いサービスを提供することが出来るように取り組んで行きたいです。
田中先生、本日はありがとうございました。
※研修は受講者の体調・体温・接触管理・ワクチン接種・手指消毒等、室内換気も徹底して行っています。