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第5回 リーダー研修 2023

事例検討を通じ利用者の権利を擁護する

~ 理解から始めるケースカンファレンス ~

第5回社内研修、古城裕喜講師より事例を通じて利用者様の権利擁護についてご講義を頂きました。経験の浅い若いスタッフが「我流」自分の判断で色々なケアを提供することなどが課題として考えなければいけません。私たちが普段共有している事は、利用者様の食事介助の方法や移動介助、転倒リスクなどありますが、本来は利用者様がどの様な生活を望んでいて私たちはどのように利用者様の望む暮らしを叶えるべきかを話し合う事が重要となります。そこで今回は、利用者様のケアをみんなで考えながら利用者様の権利を守ることについて学びました。

ケアカンファレンスを通じてご利用者様の権利を守ることを念頭に置き、私たちがどのようにチームの中でリーダーとして話し合い、思いを添えた上でケアを提供することが求められます。今回の事例では、気分の浮き沈みがあり、死んでしまいたいと強く感じているケースについて考えました。これまでの生活歴を理解しながら本当に今必要なケアとは何かまた、チームケアのあり方を話し合いました。リーダーとしてどの様に判断したり何を優先してケア計画をどの様にたてなければならないかなどを踏まえ、望む暮らしとは何かを考えました。利用者様の希望に沿ったケアやご家族様や入居されている利用者様との多くの関わりやご本人にとっての生きがいについて多くの意見がありました。マズローの欲求5段階説に沿ってケアの優先順位を考えます。利用者様にとって欲求が満たされないと生活が滞りがちになります。
そして、命の長らえる事が不安定になります。生活の継続性では、食事がきちんと摂れているか、排泄に問題は無いか、夜間はゆっくり眠れているか、移動の際の転倒リスクは無いかなどよく観察することが大切です。利用者様は人と人との関係の中で、自分の役割は?自分の居場所は?自分を認めてもらいたいなどの欲求を持っています。欠乏欲求に対して私たちはしっかりとケアを提供していかなければ利用者様は不満足な思いをされます。本人の訴えに対してのリスク対策や生活意欲の獲得、不安不快感の解消、居場所や役割の獲得、自己肯定感、存在意義の獲得などを考えながらケアの提供が重要ですとご教授いただきました。

介護専門職として「ケア」を提供することとは、そもそも「ケア」とは何かについて話し合いを行いました。新人スタッフへケアとは何かをどのように伝えるべきか、何を目標にして日頃のケアを行っているかを考えながらリーダー・主任としての指導が求められます。「ご利用者様の希望する生活が送れるように支援する事」「利用者様の生活全般の支援や不安感の解消、生活意欲を持って頂ける支援、自宅での生活と変わらない支援」など様々な意見がありました。
多くの意見に対して、普段行っているカンファレンスの際に、出された意見を中心に話し合いが行われているか古城講師よりお話がありました。「ケア」とはtake care of の語源をとってケアと言われています。テイクケアの語源は気がかりが取り除くとされ、ご利用者様にとって様々な気がかりが存在します。私たちの関わりが、利用者様の不安感を軽減することが目的とされ、ケアの本質は一人の「人格」をケアするとは、最も深い意味でその人が成長すること、自己実現することを助けることであり、援助とは、「苦しみ」を和らげ、軽くし、なくすることであるとご教授いただきました。

今回のテーマ、事例を通じ利用者様の権利擁護ついて学びを深める事が出来ました。利用者様の様々な思いに寄り添いながら、一人ひとりの望んでいる生活とは何か、チームケアの重要性を改めて振り返る研修となりました。リーダー・主任として相手に伝える場合、思っている事を一つずつ言葉にして行く事が非常に大事であると感じました。

本日は、古城裕喜講師ありがとうございました。
※研修は受講者の体調・体温・接触管理・ワクチン接種・手指消毒等、室内換気も徹底して行っています。