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口腔ケア勉強会 よしもり歯科医院

ニコニコタウンきいれグループでは、ケアの更なる向上のため、現場で臨床を重ねてこられた講師をお招きして職員向けの勉強会を開催しています。
よしもり歯科医院】の吉森史先生、吉森美帆先生にご講義いただきました。

介護・福祉・医療を専門とするニコニコタウンきいれグループでは、ご利用者さまの「生活の質」の向上をめざしております。人間が生きるために必要な、「口腔内のケア」という題目でご教授いただきました。生活支援員、看護師、介護支援専門員、栄養士、作業療法士、事務員などの43名が参加しました。

口腔ケアとは

広義では口腔内のもっているあらゆる動きを健全に維持する、あるいは介護することです。狭義では口腔衛生管理に主眼を置く一連の口腔清掃で、もっともベーシックな口腔ケアとのことです。口腔内を健康に維持することで、ご利用者さまの生活の質「QOL」は向上すると考えられています。

誤嚥性肺炎と口腔ケア

食物や唾液など空気以外のものが下咽頭を通過すときに、機関より深い所に入ることを誤嚥といいます。誤嚥は健常者でも生じることがあるが、脳卒中や神経筋疾患、薬剤の副作用などによって頻度があがります。健常者であるならば呼吸・喀出機能や免疫機能により抵抗しますが、高齢者になるとそれらの機能は低下します。そのため「誤嚥性肺炎」になります。要介護高齢者は加齢や脳血管障害の後遺症等で、嚥下機能が低下している方も多くいます。場合によっては、ムセなどの症状のないまま誤嚥している可能性が高いです。誤嚥性肺炎を防ぐためには、食事中はもちろんのこと、その前後でも口腔内にリスクがあることに注意しなくてはいけません。嚥下・咳反射の低下は加齢に伴い不可逆的な減少と考えられているため、口腔ケアに力を入れるべきとご指導くださいました。

口腔ケアの基礎

  1. 清掃前のうがい(大まかな食渣の除去)と口腔内の観察(視野の確保)
    口腔内にうがいでは取れない残渣物が残っていないか、出血や腫れ、口臭等はないか確認する。確認の際には必ずペンライトを用いることが大切だと言われました。
  2. 義歯の着脱、清掃、保管
    技師の清掃は3ステップあります。【1ステップ:簡単みがき】流下水で義歯専用ブラシにて磨きます。【2ステップ:義歯洗浄剤】容器に義歯と洗浄液をいれ、水で浸します。【3ステップ:念入りみがき】流下水にて薬品をよく洗い流す必要があります。そのため義歯専用ブラシで念入り磨きます。これらのステップを参考にすることで、義歯に関する問題は少なくなるだろうとのことでした。
  3. ケア後の口腔内チェック、道具の保管
    ご利用者さまの中には、ご自分で口腔ケアをしている方もいらっしゃいます。しかし可能な限り生活支援員がケア後の口腔内を確認することが大切です。歯磨きをしている時間が短い方。麻痺等があり利き手ではない手を使われ、細かく動かせない方などには、必要に応じて生活支援員が仕上げ磨きをする必要があります。

舌の清掃

舌のケアによるおもな効果は、下の汚れを取り除くことにより誤嚥性肺炎の予防や口臭の軽減、または下清掃の刺激により唾液分泌の促進による口腔内の浄化、口腔乾燥の緩和、味覚の低下を防ぐ効果があります。
舌苔(ぜったい)とは、舌に付着した汚れのことです。舌苔を除去するには、専用のブラシを使用し、優しく落とします。表面を強く擦りすぎると、味蕾を傷つける原因になるので無理せずソフトタッチでおこないます。

今回は、口腔ケアの基本をご教授いただきました。よしもり歯科医院の吉森史先生、吉森美帆先生ありがとうございました。次回の講義もよろしくお願いします。