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第10回 新人セミナー

第10回 新入社員研修カリキュラム(2021年9月14日)

第1部 バイスティックの7つの原則
対人援助にかかわる支援者の行動規範として有名なものに「バイスティックの7原則」があります。今回は、知っているようで解っていないこの原則について理解を深めながら、現場でどのように生かしていくかについて講義が行われました。

ご利用者の抱える課題や困難は、どれだけ似たように思えても、それぞれ異なる問題であり同じものは存在しない。「個別化」の捉え方を事例で学び、支援者はご利用者の行動や思考に善悪を判じない対応が大切だという、「受容」・「非審判的態度」について深掘りしました。支援者の行動が利用者との信頼関係に及ぼす影響を検討すれば、いくつもの事例の収束が一つの原則に繋がっていることが見えてきました。支援に関する理論を事例で学ぶ機会となりました。

第2部 養成校における福祉教育
田中教授は一般的な理科系教育について、「理論が実験を、実験が理論を向上させ展開させる弁証法的要素がある。」と述べられ、福祉教育の現状と目指すべき姿をご講話くださいました。福祉教育における理論と実践という意味は、たとえ最高の理論であっても、常に現場での検証が求められ、現場から新たな最高理論に到達するための段階的目標を提示すべきであると話されました。現場職員は制度的な不備への気づきやアドボケイターとして活動を行うべきだと述べられました。

ご利用者の生活に携わる人が、専門職として自覚を持つことは、ご利用者やその家族を幸せにし、ひいては、組織を通して社会に影響を与えるチカラになるとされ、新入社員たちへの期待を話してくださいました。

スタッフ感想
「ご利用者の行動には何かしらの思いが含まれていることが分かりました。」

「ただ話すのではなく、状況を把握したうえで納得いただける声掛けに努めたいと思いました。」

「基礎を学ぶ必要性が分かりました。」

「ご利用者がどう思うか、どんな介助をされると安心されるか、想像力を働かせた支援を目指したいと思いました。」

「教育的な目線で福祉を見たことがなかったので勉強になった。社会に何か影響を与えるイメージはまだ持てませんが、自分にも何かできるのではと自信が湧いてきました。」など、新入社員たちが自身の支援を問い直す講義となりました。

田中教授、本日はありがとうございました。